不動産鑑定士修習戦記ヨッチャム

鑑定及びデータサイエンスの勉強、並びに海岸に事務所を建てる

実務修習モラトリアム

修習2年コース2年目、基本演習全4回のうち、2回目と3回目の間が3ヵ月空くんですね。
その間、実地演習を全クリした人は何もなし、再履修ありの人は該当の類型を焼き直すわけです。
それだけ聞くと、何てことはない、受験生時代からここまでの間で一番楽な時期だと思うのです。
しかし、ここ最近私は鑑定関連がほとんど手につかず、時間を浪費していました。
なぜなのか。

思い返せば、受験生時代は、勉強に十分な手段、問題に明確な答えが用意されていました。
鑑定士試験受ける人って大半が大卒で、しかも勉強にそこそこ自信のある人が多いと思うんですが、問われる問題からして別に大学での学習経験は必要無いんですよね。
問題を解いて答え合わせして、どうして間違ったのか、どうしてこの答えになるのか、自分はどこがわからないのか理解して覚えて、みたいな、小学校の勉強方法と同じです。(ただし、分量が多いので膨大な時間を要しますが)
自分で「わかったな」、って思うくらいになると、その分模試や本試験の点に反映される。

ところが、実務修習になったら、急に高校までの勉強方法と違うものになりました。
指導者は教えてくれはするんですが、別に指導のプロじゃなく、テキストには問題の解き方が載っているわけではないです。
ではどうするかというと、実務で覚えるか、指導鑑定士の話、書籍、自分で収集した資料や調査内容についての考察等から知識を深めるということになります。
同じ実地演習でも、先代修習生の成果物を参考として進められるか、実務で1から10まで評価書作成に関わっているか、実務でいろんなものの社内ルールが明確にあるか、評価資料が用意に手に入る地域や会社か、残業が多いか、あるいは実務に関わっていないか等々で、修習生間で苦労の種類や修習の難度がすごく違うようです。
そのため、修習の進め方は、会社や修習機関ごと、あるいは個人ごとで全く違うのですが、私はこれに完全に失敗しました。
※ちなみに、私は補助の仕事がうまくできず、半ばクビになり実務経験を積まずに修習をやっています。

とはいえ、修習自体は「手引き」に沿って作業的に進めればよく、考査については口述はともかく、短答・論文についてはこれまでの試験勉強と同じやり方でいいはずです。
なのですが、凡ミスから一発非認定を食らい、再履修を進めている今、突然「自分は一体何を作っているのか」わからなくなってきて、急に巨大なストレスを感じるようになっていました。
頭が鉛のように重い。
これで生活にも支障が出てきたら病気だと思うんですが、幸い、シンクやコンロに洗い物が積み重なったり床に読んでない新聞が溜まったり、生協から毎週自動注文の飲むヨーグルト2本のみが届き続けるとかで済んでるというか、このラインをもっと超えたらマズイ。

「自分は一体何を作っているのか」
十分な資料も収集できず、相場感もない単なる素人が、テンプレートの項目に作文して仕上げるという一連の作業が、ここにきて何だかすごくしんどいです。誰でもできる資料作成をしている。でも私がやるとしんどくて進まない。
手法を適用して計算したり、基準に沿った記載内容をおさえているので、そういう点では今まで勉強してきたことはちゃんと生かされていて、修習生という身分の最低限の作業はしているはずなのです。でも、ぼんやりした理想と比較して勝手に苦しんでいる気がする。

ド素人の作文でも、指導者から丁寧に添削をして貰っているので、最終的には明らかな間違いは無い状態になるはずなのです。
基本演習で、合格後に就職して、色んな方面でバリバリに実務をこなしている人を目の当たりにしたのが、ここに来て重く響いてきているのかもしれないです。
登録してないのに、みんな普通にほとんど全体の実務をしている。
一方、私の作ったものは稚拙過ぎて、こんなものを作ることで収入を得られるとはとても思えない……。
どのようなレベルになったら、お金を取れるのかも見当つかないです。
あと、どこに楽しさを見い出せばいいのかも全然わからなくなってきました。
というか、単純に今やってるのすごくつまらない。
この年になってようやく気がついたけど、面白いと思ってないことを我慢してやるのが死ぬほど無理。みんな我慢して仕事してるの偉すぎるね?

登録まではなんとか頑張るけど、登録したらやめたいという気持ちが多大なサンクコストを上回りそうです。
受験勉強苦しかったけど、受験やめたいとは全然思わなかったのに。
つまらない気持ちと不安が渦を巻いている。
修了考査合格率73%弱だけど、落ちたらもう一年やり直す気力残ってないと思います。